お酒は「百薬の長」と言われ、昔から適度な飲酒は身体によいといわれてきました。
実際、善玉コレステロールを増やす働きがあり動脈硬化の予防になるということがわかっています。
特に、赤ワインにはポリフェノールという成分が入っています。
このポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化や老化を防ぐことができると考えられています。
日本酒にも赤ワインに含まれているポリフェノールと同じ働きをする成分が入っているということもわかってきました。
また、日本酒は身体を温める効果もありますので、冷え性の改善にも役立つといわれています。
日本酒を搾った後の酒粕の中にも栄養素が含まれていて免疫力を高めたりがんと闘う効果があるとされています。
このように、お酒には様々な効果があり、適度に飲めば本当に健康を維持することができるのです。
しかし、この効果はあくまでも「適度に」飲んだ場合のみです。
お酒を飲みすぎると肝臓を悪くしたり、アルコール中毒を起こしたり…と心身に悪い影響を及ぼしてしまうことも認めなければなりません。
ですから、やはり、お酒を飲むときは適量を守るようにしましょう。
飲みすぎは命取りにもなりかねないということを覚えておきましょう。

アルコールの処理能力というものをご存知ですか？
一般的に６０～７０ｋｇの男性のアルコール処理能力は一時間に９～１２ｍｇと言われています。
日本では未成年者の飲酒は法律で禁じられていますが、大きな理由の一つは、未成年者の場合、アルコール分解をする酵素が十分に働かないため、アルコールを摂取しても上手に処理することができないということにあります。
そうなると健康を害してしまいますから未成年者の飲酒は法律で禁じられているのです。
また、日本人の体質というものも知っておきましょう。
日本人は、アセトアルデヒド酵素が弱いか欠乏しているため、お酒に弱いという特徴があります。
ですから、まったくお酒が飲めないという人もいることでしょう。
社会に出れば、付き合いでお酒を飲むということがあるかもしれませんが、飲めないのに無理して飲む必要はありません。
むしろ、自分はお酒が飲めないと言ってはっきり断りましょう。
無理して飲んだところで楽しいはずがなく、かえってきつい思いをするだけです。
なお、アルコールの処理能力には個人差やその時の体調なども関係してきますので、「飲めない」という人に無理強いしてお酒を飲ませることは絶対にやめましょう。

「飲んだら乗るな」。
車を運転する人なら何度も聞かされた言葉でしょう。
飲酒運転がいけないということは誰もが知っていることです。
お酒を飲むと、運動機能や判断能力などは著しく低下します。
つまり、飲酒運転はとても危険な行為なのです。
「ビール一杯くらいなら…」とか、「自分は酔っていないから平気」と思う人もいるかもしれません。
しかし、実際には、ビール一杯でも自分の意識がはっきりしていると思っても、やはり飲酒の影響を受けているのです。
飲酒運転は法律で禁じられています。
しかし、それだけで飲酒運転をしないのではありません。
飲酒運転をすることは命にかかわる重大なことなのです。
「見つからなければ大丈夫」という軽い気持ちが重大な事故を引き起こすことさえあるのです。
自分が怪我をしたりする可能性もありますし、最悪なケースとしては人の命を奪いかねません。
そうなったときにどのように責任をとるのでしょうか？
失われた命は戻っては来ません。
尊い命を奪わないためにも飲酒運転は絶対にしてはいけないのです。
一年を通して外でお酒を飲む機会はたくさんあると思います。
ぜひ、ドライバー一人一人がよく考えて飲酒運転を避け、悲しい事態を招くことを防ぎましょう。

近年、多くの女性がお酒を楽しむようになりました。
もちろん、普段なら女性がどれだけお酒を飲もうが構わないのかもしれませんが、女性が絶対に飲酒をやめなければいけない時期というものはあります。
どのような場合でしょうか？
それは、妊娠期や授乳期です。
妊娠中にお酒を飲むと、アルコールはお腹の中にいる胎児に伝わります。
それが、胎児に悪い影響を与えるというのは容易にわかることでしょう。
また、授乳期も同様です。
授乳しているお母さんがお酒を飲むとアルコールは母乳に出ます。
未成年の飲酒が禁じられているのは、健康に良くないからなのですが、そう考えると、母乳を通して生まれたばかりの赤ちゃんに母乳を通して「お酒を飲ませる」というのが悪影響を与えるということは想像に難くないでしょう。
このように、女性には飲酒を我慢しなければならない時期というものがあります。
しかし、それは、すべて愛するわが子のためです。
かわいい子供のためなら自分の楽しみの一つを我慢することくらい容易にできるのではないでしょうか？
妊娠期、授乳期というものは期間としてはごくわずかの間です。
ぜひ、自分の子供の健康を守るためにも、妊娠期、授乳期の飲酒は控えるようにしましょう。

お酒を飲むときの鉄則は「人に迷惑をかけない」ということでしょう。
しかし、気の合う仲間と飲んでいるとついつい飲みすぎてしまうということはよくあることかもしれません。
「飲みすぎた」で終わればまだ良いのですが、時には飲みすぎが高じて「酔いつぶれる」という域にまで達してしまう人もいるかもしれません。
では、そのような人にはどのように接することができるでしょうか？
まず、酔いすぎると嘔吐をする可能性があります。
意識がしっかりとしていれば良いのですが、意識がもうろうとしている場合などは、嘔吐物で窒息してしまう可能性が高くなりますので、身体を横向きにして寝かせましょう。
もし、意識がない場合は、危険な状態と言えますので迷わずに救急車を呼びましょう。
季節が冬であれば、公園のベンチなどで一人で眠ってしまわないように自宅など暖かいところまで送り届けるようにしましょう。
そうしないと、最悪なケースとして凍死してしまう可能性も出てきます。
このように考えると、酔いつぶれてしまうのは周りの人に多くの迷惑をかけることになります。
お酒を飲むときは、きちんと自分のペースで適量を飲むようにし、一緒に飲んでいる仲間に多大の迷惑をかけないように心がけましょう。